mapsの指すホテルにたどりついたもののホテルっぽくない電気すらついていない柵で締め切られた建物を前に呆然とした俺
隣にも建物があり、そちらは電気がついているが、何とか航空公社みたいな看板が付いている
疲れておかしくなっていたのか、このなんとか航空公社って建物がワンチャンホテルっていう可能性もあるんじゃねえか?と思い建物に入ってみた
受付で守衛がうつらうつらと寝ており、近づくとすごい速さで顔を上げてきた
俺もビビったが向こうも突然の侵入者に相当ビビったに違いない
バウチャーを見せ、ここはこのホテルじゃあないよな?
と聞いてみた
違うから出ていきなさい
そういうと守衛はゆっくり顔を下げて、再び寝る体勢に入っていった
気を取り直し
ちょっと地図がズレているかもしれないと思い1本通りを東へ行ってみた
先ほどまでいた道路よりも大きい道路で交通量も多い
そんな道路の脇に結構でかいホテルがあった
そんなに高い金額を払っているわけではないから絶対違うよなーと思いつつも、思い切ってそのホテルへ行ってみた
入口に守衛が立っていたので、バウチャーを見せて、この紙に書いてあるホテルはここか?と聞いてみた
英語は通じなかったが違うと言っていることだけはわかった
それじゃあこの紙に書いてあるホテル知ってる?と聞いたが知らないと言われてしまい
それ以上のコミュニケーションを取りようがなかったので一旦そのホテルを離れることにした
付近を10分ほど歩きまわったが、先程のホテル以外にホテルはなく、どこか開いているレストランなどそういった類の店もないからwifiも捕まえれない
これは困ったなとさすがの俺も途方に暮れて
ダメ元で先程訪ねたホテルへと戻り、「助けてくれい」と英語も通じない守衛に泣きついた
すると、守衛がどこかへ姿をくらませた
まじかよシカトとかひでえぜと思っていると3分ほどして仲間を連れて戻ってきた
新しく来た守衛の仲間は機転が効く奴で、ネットの地図アプリを起動し、俺のホテルを検索してくれた
めちゃくちゃいい奴である
その男曰く、お前のホテルはこの大通りを東側へ渡って少し南に行ったところにあるぞとのこと
mapsの地図と全く違う場所である
距離にして500mは離れているんじゃなかろうかというレベル
ほんとにそんな場所に俺の泊まるホテルがあるのだろうか
とはいえ、俺には他に手はない
最悪、そのホテルでウォークインで宿泊できるか聞いてみようと思い、男たちに礼をいいその場を後にした
しばらく歩き、教えてもらったホテルまで行ってみると、予約時に観た見たホテルの外観と同じ外観をしたホテルがそこにはあった
ふざけやがって!という感想がまず頭に浮かんだ
とんだクソアプリである
その次に、なんとか寝れそうだという安堵感
まだロシアにすらついていないのに疲れ果てた状態でなんとかチェックインを済ますことができた
翌朝はホテルから空港までの無料のシャトルバスがあるらしい
ありがたいことである
カードキーが使えなくてフロントと5階にある俺の部屋を3往復くらいするという些細なトラブルはあったものの、ようやくホテルの部屋で一息つくことができた
エアコンの音が若干うるさいが寝るだけと考えると悪くない
それにしても北京の4月の夜は日本よりはるかに冷える
まだ22時ころで寝るには早く外に出れる時間ではあったが、ここまで歩いてきて、どう考えても周囲に飲み食いできるような店はなかったので、散策すらやめて、結局しばらくホテルでゴロゴロして寝ることにした