国境からサンディエゴ行のバスに乗り込んだ俺
車内で、先ほどこのバスがサンディエゴに行くと教えてくれたオヤジが話しかけてきた
名前があったのかすら忘れたが、バスを降りたら、列車に乗るんだぞ
と教えてくれた
どうやら国境から一本でサンディエゴにいけるわけではないらしい
たぶん俺のメモによればその列車代が2ドルだったのかもしれないが
バスに乗った後の記憶がほとんど残っていない
しっかりとメモを残しておけばよかったな
おぼろげな記憶では、バス停で降りたあと、石造りのホームから適当な列車に乗り込み、列車内で地元の厨房みたいなクソガキにこの列車はサンディエゴに行くきますか?と聞いたらそうだよと教えてくれたというようなことがあったと思う
そんなこんなでサンディエゴに到着した
思ったより整然とした街並みだ
もうちょっと荒々しいところをイメージしていたけど面白みのないきれいな街だ
まだ早朝ということもあり全然人いねえな
そんなことはさておき俺はこっからどこいけばいいんだよ
金も10ドルちょっとしかねえよ
とりあえずwifi使えそうなコーヒー屋を探した
スタバはなかったけど、サンドイッチ屋とバーガーキングが並んでいる建物を見つけた
朝っぱらからバーガーキングはちょっと辛いなと思ったのでサンドイッチ屋でハムサンドとコーヒーを一杯飲みながら優雅にサンディエゴのマップをダウンロードすることにした
店に入りコーヒーを注文して席に座りお待ちかねのwifeタイムである
・・・あれ?おかしいな
店名のついたwifiのアクセスポイントがあるのに繋がらねえな
え?まじ?
ちょ、ちょっと店員さん!wifi繋がらないですけど!?と助けを求めた
店員は冷静に、「すいません、ちょっと最近wifiの調子が悪くてあんまりつながらないんですわ」と言ってきた
てめえ!やりやがったな!なけなしの金払ったらこのざまかよ!
もう全然金ねえじゃねえか
お腹だけはいっぱいだわ
バーガーキング入ってそっちでもwifiなかったらもう終わりである
とりあえずロサンゼルス行きのバスターミナルを探しつつATMを探すことにした
広場を歩いていたらイカツイ大男が黒い大きなコートを羽織って歩いていた
こいつは警察官に違いない
俺はそう思い男にロサンゼルスに行きたいんだけど、バスターミナルはどこですか?と聞いた
すると男は一言「インペリアルほにゃらら」みたいなことを言って立ち去って行った
よく見ると全然警察官ではなくただの警備員のイカツイおっさんだった
インペリアルってなんだよと思いながら30分くらい街を徘徊しながら優しそうな雰囲気の人に道を聞いていたら、インペリアルっていうのはどうやらバスターミナルの最寄のバス停の名前らしいことがわかった
その後はこのバスのバス停のバスはインペリアルに行きますか?と道行く人に聞きまくってなんとかバス停を見つけ、バスターミナルに到着することができた
ATMで金を下ろした記憶がないからたぶんチケットはクレカで買ったんだろうか
バスターミナルでサンディエゴからロサンゼルスへのチケットを29ドルで購入し、発車まで1時間以上あったが、どこかへ行く気力もなく、ただひたすらバスターミナルでバスを待ちながら備え付けのよくわからないテレビドラマを漫然と視聴し、バスが来たのでそれに乗ってロサンゼルスへと出発した
バス停の係員の黒人のババアは不気味なくらい俺に親切だったが白人にはめちゃくちゃ厳しかったな
俺の荷物はほぼスルーだったが白人の若いお姉ちゃんの荷物は中身をぶちまけて確認していたし、屋外のバスの待合の椅子には時間がせまってこないと入れないようだが、勝手に入ってみたら俺は何にも言われなかったけど、白人のお姉ちゃんが入ろうとしたらめちゃくちゃ怒鳴られていた
何だったのかはよくわからない
ただとにもかくにも俺はめちゃくちゃくたびれていた
バスに乗った後の記憶はなく、爆睡だったんだろう