二日分の宿代を支払い終わったものの、ふと考えたら前日から4試合してて珍力的にもう試合できるかわからないし、明日の朝までこれと言って目新しいこともないので、翌日の朝のことを考えると、なんならもうハノイに向かってもいいんじゃねえか?という考えが頭をよぎった
ただまあ金も払ってしまったし、ハノイはホテルもドーソンに比べると高いだろうし、万が一コンディションが整っても試合には向かない街だという噂もあるので、しばらく悩んだ末に結局ドーソンで一夜を明かすことにした
とはいえここドーソンでやることはほとんどないので、とりあえず気分転換に散歩でもすることにした
ほとんど人もいない
何やら台風で散乱した瓦礫の片づけをしてる人が数人いたくらいでメイン道路から一本入るだけですごく閑散としていた
そんなわけで人もいないので特に面白イベントが発生するわけもなく、10分くらいかけてドーソンの二区を一周し、やっぱりハノイ行けばよかったかななんてことを考えながら再び路上を見る人に逆戻りである
再び道路を眺め続け、気が付けば午後5時、晩飯の時間になり、最後のヘルシー飯を食った
ベトナム語がしゃべれない状態でドーソンに1か月とかいたら、やることなさすぎてどうにかなっちまうかもしれないぜ
一週間でもきついに違いない
ベトナム語ができたら全然違うだろうけどさ
夜になり、やることと言えば引き続き道路を眺めるくらいである
雨が降ると道路からさすがにお姉ちゃんの姿は消えた
もうそうなっちまったら雨の降る街の眺めるだけしかやることがない
雨季のスコールだからすぐ雨はやんで、雨が止めばまた道路にお姉ちゃんが戻ってきた
夜になり、もうこの日は無理かと思ったけどコンディションが回復の兆しを見せ始めた
結果はどうあれ次がドーソン最後の試合になるに違いない
最後に外れは引きたくないので、前日名前と番号を聞いておいたお姉ちゃんを召喚することにした
隣のハイフーに行き、ババアに名前と番号を告げてると
ちょっと待ってな
と言って、店の若い衆を遣いに出してくれた
20分ほど待っていると、この日一日を通して見かけなかったが、前日お世話になった目当てのお姉ちゃんがどこからかバイクの後ろにまたがって現れた
このお姉ちゃんは、出現エリアが限られているのかもしれない
とにもかくにも、全然違うやつが来たらどうしようかと少し心配だったけどよかったよ
こちらのことも覚えていたようで、前日はロボみたいだったけど、この日は感情が表に出ていて、果てしなく遠い距離なのは変わらないけど、昨日よりは距離が近いのを感じた
やはりどこでも一見よりも裏を返した方がそうなるもんだと思うけど、ここドーソンでも同じで安心したよ
他よりもロボ味が濃かっただけにね
まあコンディションは戻りきらず結局イケなかったわけだけどさ
とはいえ、前日は終わったらお姉ちゃんは一人でさっさと先に歩いて行ってしまっていたけれど、この日は一緒に階段を上がりながら、こいつイケないでやんの(笑)みたいなことを言われ、前日は見せなかったような笑顔でわき腹をツンツンされたときは、なんだかグッとくるものがあったね
その後お姉ちゃんはニャギの表に出て1秒で中国人に声をかけられ、前日同様槍部屋にUターンしていった
その後は再び0時頃までニャギの前に陣取りだらだらとして、コンディションが回復しそうにもなかったので就寝した