人生オワタカの冒険~タイ編(バンコク)~十日目②激安宿を求めて

日本大使館が休みという現実を受け止めきれず、大使館の前で途方に暮れていると、よほど終わった顔をしていたのか、トゥクトゥクの運転手がどうしたんだ?と声をかけてきた

金がマジでなくって困ってる、どこかとにかく安い宿はないか?と聞くと、ツーリストインフォメーションに連れて行ってやるとのこと

もちろん有料だ

なけなしの金をはたいてツーリストインフォメーションなる場所へ連れて行ってもらった

付いた先はツアー等の斡旋業者

300Bで泊まれる宿はないですか?

と聞くと、そんなに安いホテルはありません

といって追い出されてしまった

外でトゥクトゥクの運転手が待っていて、どうだった?と聞いてきた

300Bで泊まれる所なんてないってさ

そう答えると、トゥクトゥクの運転手はじゃあ別のツーリストインフォメーション行ってみよう

と提案してきた

こんな金のない俺を唆して更に金を取るつもりなのか?と、このトゥクトゥクの運転手が悪魔に見えてきて、なんだか怒りが沸いてきた

もうほんとに金がないから俺に構わないでくれ。と言ってその場を後にした

よほど鬼気迫るものがあったのか、トゥクトゥクの運転手が追いかけてきて、駅まで送っていくよ。もちろんお金はいらないよ

と言ってきた

怒りに任せて立ち去ろうとしたけど、自分が今どこにいるかもわからなかったので、トゥクトゥクの運転手の言葉に甘え、お礼を言って駅まで送ってもらった

本当に困っているときは金がなくても助けてくれるんだ

と、なんだかちょっとだけ人のやさしさに触れたような気がした

駅に着いたはいいものの、どうしようかと途方に暮れる

ガイドブックを引っ張り出し、何かないかとみていると、ゲストハウスなら300Bで泊まれそうなことに気が付いた

ガイドブックの地図を頼りに1~2時間ほど歩いてゲストハウスにたどり着いた

ガイドブックに載っている通り、一泊300Bとのこと

一泊だけなら泊まれるし、今日ばかりは背に腹は代えられないという気持ちで宿泊することを決めた

部屋は男女共同の8人部屋で二段ベッド

ルールの説明等は一切なかった

部屋は靴でいいのかと思って土足で上がったら他の奴は裸足で、すごく変な目で見られて悲しい気持ちに

相部屋の面子は白人女子1人と残りは日本人ではないアジア系の男女の様子

ハローとあいさつしたけど無視された

気持ちに余裕が全くないので、それ以上かかわることなく、水と12Bのクリームパンを買い、まだ日差しがあるうちから体力温存のためひたすら寝て過ごした

相部屋の面子は楽しそうに交流していて正直うらやましかった

キッチンでみんなで料理を作ったりもしていた

方や俺は一人で12Bのクリームパンをベッドの上で食っていた

残金は250B程度

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