人生オワタカの冒険~日本編(大阪)~三日目⑤休憩だって立派な仕事さ、頑張ってるよな・・・

打ち合わせと安全点検が終わり、作業が始まった
倉庫内にあった長いハシゴを貯水槽まで運び、貯水槽内の汚い水を抜く為のポンプを貯水槽に入れて水抜きを始めた
班長のおっさん曰く、小一時間もすれば水が抜けるから、作業はそこからとのこと
貯水槽はざっと見るに100㎡以上ある

ポンプから出ている管の経はΦ150くらい。水位は6~8メートルはありそう

ホントに終わるのか?と思ったが、日雇いの俺には関係ない話である
元請けっぽい人が水が抜けるまで休憩してくださいと言ったので、休憩することになった
喫煙所兼休憩所みたいなとこで、ぼんやり休憩をする
班長はひたすらタバコを吸っている
まだやった仕事といえば、ハシゴを運んだくらいである
一時間くらいして貯水槽を見に行ったが、水位は全然減っていない
班長は「もう少しかかりそやな」

と言って、再び休憩に戻った
また休憩所で俺は座ってぼんやりし、班長はひたすらタバコを吸う時間が始まった
一時間後また見に行ったが、まだまだ貯水槽に入れてるポンプの頭すら見えきていない

とりあえず、一旦前歯のない副班長のおじいさんの方の班を見に行くことになった
工場の中は薄暗く、けたたましくブザーと警報音のような音が延々なり続けている

ずっと作業が遅れていますみたいな表示がでている

一日中ここにいたら頭おかしくなるんじゃないか

と思った

空気は粉じんがまじりあった感じでめちゃくちゃ悪い感じ
前歯のないおじいさんの班は、前歯のないおじいさんが、小さい電動ドリルみたいな奴の先端にノミみたいな機械をつけたやつでコンクリートを割って、その殻を40歳過ぎのおっさんがひたすらバケツで運び、70歳過ぎのおじいさんともう一人のおっさんも、前歯がないおっさん達と同じようにコンクリートを割ってもう片方が殻を運ぶというようなことをやっていた

元請けっぽい人は防塵マスクをしているが、前歯のない副班長のおじいさんと我々日雇いの人は防塵マスクなしで作業していた

労働環境めちゃくちゃ悪いなと思ってみてたら、作業始めて二時間後の今、みなさんもこれ使ってください

といって防塵マスクが配られていた

最初に配ってやれよマジで・・・
前歯のないおじいさんの班の進捗を見た後はまた休憩に戻った
俺にもその班を手伝うようにいったほうが、作業が捗るんじゃないかな

と思ったが、恐らくだけど、1日の仕事の割当があって、この作業は何人でやるってのが決まってるんじゃないかと思った
再び休憩していると元請けっぽい会社の男が休憩所にやってきた

40ちょいのおっさんと20過ぎの男の二人組

どうやら20過ぎの男は新人っぽい雰囲気がある

班長はこの現場に何度も来ているんだろう

親しげに話を3人でしている

俺はその隣で、この何にもやらない時間なんなの?と思いながら座っている

元請けのおっさんが班長に飲み物なんかいります?と聞いていたが当然日雇いの俺には聞いてくれなかった

そもそも1日を通して俺の目を見もしなかったからねこいつ

まったく、感じ悪いぜと思いながらも休憩はまだ続く

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