翌日、スマホのアラームで目を覚ますと体がかゆい
目を開けると、電気がついたままの薄汚い天井が目に入った
知らない天井である
朝四時、俺は目を覚ました
布団は敷かずに、重ねてある布団の上で寝たが、当然のようにダニに食われまくっていた
たぶん布団を使っていても同じ結末だったとも思うが、もっとやばかったかもしれない
本日は祝日だ
電気を消したまま寝たら朝四時に起きるのは無理だと思い、つけたまま寝た
そのかいあって起きられたが、疲れが全然とれていないのをまじまじと感じる
めちゃくちゃ起きたくなかったが、体にむち打ち起き上がった
ジャージから着替え、共用のトイレで歯を磨き顔を洗った
さすがに人は誰もいない
四時半ころ、荷物を持ってドヤを後にした
外に出るとまだ辺りは当然暗い
朝四時は早朝というよりなんなら深夜といってもいいんじゃないだろうか
朝四時から散布をするとか老人みたいな男である
ドヤを出て、すぐ警察署があるのだが、警察署の外壁の所で、少し太ったおじいさんが、ガリガリのおじいさんを警察署の壁に押し付け、
「われ、コラ、なめとったらあかんぞ!」とか言って恫喝しながら詰め寄っている光景を目にして、朝から少しほっこりした気持ちになった
そんな光景を横目に、暗い道を北西の方へと歩いていく
西成の北の方は、あいりん地区と呼ばれているらしい
昔は釜ヶ崎といったらしい
あいりん労働福祉センターの南側に行くと、こんな時間なのに人が道端で地面に物を並べて売っている
売っているものは、恐らく賞味期限が切れているであろうパンやおにぎり、エロDVD、何の薬かはわからないが何かの薬、片方だけの靴、ガラクタ等いろいろなものを売っている人がいる
これがうわさには聞いたことのある泥棒市場というやつだろうか
欲しいものは一つたりともなかった
センターの北側と西側には、敷地内に段ボールの砦が所狭しと建っている
労働センターで日雇い労働をあっせんしているおっさんが何人もいると聞いていて見に来たのに、それらしきおっさんの姿は見当たらない
ちなみに写真の柵のとこにおいてある青い奴は小便器だ
道路上はみ出して設置してあるところが実に興味深い
それにしても、もうここは浄化されてしまったのだろうか
そんなことを思いながら、あいりん労働福祉センターの周りをぐるぐると徘徊したり、センターの北側でぼんやりしているとなにもないまま時刻が午前5時ころになった