up & downでそれっぽいお姉ちゃんを目の前にして何も行動を起こさず撤収したチキンの俺が向かったのは初日来足しげく通っているbarことpiano barだった
昨日やってなかったから今日もやってなかったらどうしようかと思っていたがどうやら杞憂で終わったらしい
店の前に行くと前日は真っ暗だったが灯りが付いている
階段したの入口で掲示板があることに気が付いた
掲示板には一週間の予定表が書いてあった
こんなにわかりやすく書いてあるのに初日は舞い上がってて気づかなかったとはとんだ間抜けである
内容を見てみると何曜日にどんなテーマのことをやるかということが書いてある
一番上のところが月曜日なんだが、何も書いていない
月曜日が休みなんだと前日閉まっていた理由が腑に落ちた
傾斜が急な階段を上がり、受付で金を払いバーに入った
初日同様盛況の模様だが初日ほどではないような気もする
もしかしたら遅い時間の方が盛り上がっているのかもしれない
ステージの上ではレゲエシンガーみたいな女4人が歌を熱唱している
ステージ下の少し開けたスペースで現地の方々が踊り狂っており
とりわけ目立つのが帽子をかぶった小さな色黒の男
体は小さいがダンスはでかい
かわいいお姉ちゃんを次々誘いながら踊っている
そう思っていたらよほど目立っていたのかレゲエシンガーズに呼ばれてステージに上げられた
さっきまで乗りに乗っていたのにステージに上がるとなんだが縮こまって見える
突然コラボしだしたが男に先ほどの勢いはなく体相応になってしまった
気の毒であるが客席は盛り上がっていた
いけないいけないついつい音楽を嗜んでしまった
こちとら後がない男である
今宵はハンターよろしく獲物を狙わなくてはならない
ビール片手に店内をフラフラ
時間が早いのかなんなのかお姉ちゃんの姿があんまりない
困ったなと思っているとソファ席にいたお姉ちゃんに呼び止められた
若干ぽっちゃりしている
お世辞にもスレンダーとは言えやしない
挨拶もほどほどにしたところで、いきなり股間をまさぐってきてアピールをかましてきた
なんていうか、しぐさや行動、立ち振る舞いが、これぞビッチという感じ
俺のビッチ像そのまんま
絵に描いたビッチ
まさに「THE ビッチ」である
股間をまさぐりながら一緒に行かない?と提案を持ち掛けられた
おいおいこんなビッチと一緒にどこへも行きたくないんですけど
そう思う俺と、このまま手ぶらならいっそもうこのビッチでいいのでは?
そう思い狭間で揺らぐ俺がいた
そして今度はビッチが俺の手を掴みぞんざいに自分の胸に押し当てた
全然嬉しくないんですけど
はいはい、男はこうすれば嬉しいんでしょみたいなのが透けて見える
もはや擦れに擦り切れてぼろきれみたいな女である
成果なしよりはまし
そう結論付けてビッチを65クックで連れていくことにした