とりあえず歩いてmaps先生で検索できるナイトクラブを一通り回ったが、曜日の関係もあるようで、当たりの店は発見できなかった
道端に停まっているタクシーがあった
運転手は割と若めの太った男
俺は男に「ムーチョ チカ クラブ ノクターノ」と声をかけた
すると男は少し考えた後、「ファンタジー」と答えた
たぶん、ムーチョ=たくさん、チカ=女 クラブノクターノ=ナイトクラブというので合っているはず・・・たぶん
とにもかくにも「FANTASY」というクラブの情報をゲットした
これは行ってみない手はないということで、太った男のタクシーでファンタジーへ向かうことした
値段は4クックとのこと
めちゃくちゃ近かったらてめえの脂肪だらけの腹をかっさばいて今日の夕食にしてやるぞ
タクシーに乗り込むと助手席に女が寝っ転がっていた
太った男の彼女っぽい
仕事半分ドライブ半分で金を稼ぐ
いいじゃない、実にうらやましい仕事だ
すごいキューバっぽい雰囲気出てるじゃないか
と思いながらクラシックカーに揺られつつ「ファンタジー」なるナイトクラブへ向かった
10分ちょっと走って到着したのがここ
思ったより西に行ったな
郊外すぎて完全にノーマークだった
ちゃんとmaps先生の検索にも引っかかる
郊外にも色々あるらしい
なんなら郊外の方が盛んなんじゃないかとすら思えてくる
到着すると、閑静な住宅街の中にポツンとにぎわっている店があった
店の前の道路には車がたくさん路上駐車している
この一角だけ人がわらわらといる
店の前以外はさっぱり人がいない
そんな感じのところ
敷地内に入ると店の外に休憩所みたいなところがあり、休憩所のようなスペースの先に店の中に入る扉があった
入場料を払って恐る恐る店内へ入って驚いた
大音量で音楽がかかっており、溢れんばかりの人だかり
めちゃくちゃにぎわっている
所謂ディスコクラブってやつだ
キューバにもあるんだこういう店
人だかりをかき分け奥へ進み、またも人だかりのできたカウンターで飲み物を注文
飲み物一つ手に入れるのもかなりしんどい
店の中は現地の若者風の奴らがほとんどのような雰囲気
かわいいお姉ちゃんがたくさんいる
旅行者と現地民の違いはよくわからない
ただアジア人はほとんどいなかった
日本人を一人だけ見かけた
鏡に映った俺だったけど
そんなしょうもないことはさておき、クラブに来たはいいけどアウェー感が半端ない
アジア人ってだけでかなり浮いてるのに、その上スペイン語すら話せないとなるともう全く戦えない
動く石像の完成である
ただの障害物以外の何者でもなかったわ
例え俺がイケメンだったとしても一人だったら相当厳しいんじゃないかと思う
最低ラインがスペイン語話せないと無理
そう感じた
イケメンの諸君にはぜひともトライしてほしい仇を取ってほしい
「お前何もできなかったのかよ雑っ魚w」と言われても構わない
武勇伝を聞かせてほしいものである
店内がぎゅうぎゅうで身動きがとれなくて、その上ぼっちの俺は次第にすみっこの方へと追いやられていった
途中クラブの一番前まで行ったが、さらにぎゅうぎゅうでただただストレスだった
店の中で写真を撮ったら、このぎゅうぎゅうの店内にも関わらず、サングラスしたセキュリティのイカツイにいちゃんが近づいてきて、「写真はやめろ」とスペイン語で怒られてしまった
店内にいても俺のスペックじゃ音楽を聴くくらいしかできないが、まったり音楽を聴く環境でもないので、酒を一本飲んだだけで退店の運びとなった