鬼刈り上げの男と丸顔ブス女と一緒にモヒートを飲みまくった後、丸顔ブス女と一緒に帰ることになった
鬼刈り上げの男とはお酒を飲んでいた店先で解散し、外に停まっていた自転車版人力車みたいなやつに値段交渉を忘れて乗り込んだ
えっちらおっちらと自転車リキシャは南の方へと向かっていった
20分くらい走ったところで回りに家しかないような住宅地に到着した
運転手にいくらだ?というと20クックだと言われた
自転車20分漕いで20クックとかぼったくりにもほどがあるだろ
タクシーなら5クックで行けるくらいの距離である
おいおいふざけんなよとちょっと怒っていると丸顔のブス女は俺に払ってあげてと言ってきた
酒がかなり回っており、なんでこんなブスな女のためにこんな目に合って俺はなにやってんだと思ったせいか、なぜか思いのほかキレてしまった
お前の言い値の20クックでは絶対納得しない、確かに交渉をしなかった俺にも落ち度は1ミリほどあるかもしれないから、よしんば払うとしても死ぬほど譲歩してマックス15クックだ
一歩も譲らず20クックだというならこの場で殴り合いだこの野郎!と日本語で言い放った
100%通じない日本語をしゃべる完全にやばい奴だったが、15クックということで話はまとまった
3倍くらいぼったくられているけど、場所が場所で完全にアウェーなので立場が弱い
一応話はまとまったものの、まったく怒りが収まらなかったので、帰ることにした
その場を何も言わずに立ち去ろうとすると、女が何やら言ってきたが、相手をするとまた怒ってしまいそうだったので、無言で中指を立ててその場を後にした
夜中の3時ころだったが、住宅街は思っていたより明るい
しばらくとぼとぼ歩いていると、さっきぼったくってきた自転車リキシャの男が後ろからやってきて話しかけてきた
無料で乗せていくから街中まで乗っていかないか?とのことだった
てめえの顔を見るとぶん殴ってしまいそうだからどこかへ行けと追い払った
地図を確認するとこの辺にいた
思いのほか南にいた
まあ一時間くらい歩けば宿に着くかなとか考えながら道を歩く
夜の3時過ぎとは言え人が全然いない
まれに人がいたりするが、何で外国人がこんなとこを歩いているんだ見たいな顔で見られる
特に治安は悪くない
しばらく歩いているとクラシックカーを整備している男が道端にいた
脇を通り過ぎると話しかけてきた
「こんな時間にこんな場所で何やってんの?」
「ごらんの通り歩いているんだよ、文句あるのかよ」
全然関係ない人だが、まだ怒りを引きずっており言葉がとげとげしくなってしまった
「いや、別に文句はないよ。必要だったら車乗るか?」
「さっきぼったくられて、キレてるんだよ、値段によってはまたキレちまうかもしれないぞ」
「どこまで行くんだ?」
「ガリアーノ通りだ」
「まあ4クックってところじゃないか?」
「・・・なかなか良心的じゃないか!オヤジちょっと乗せて行ってくれ」
思いのほか良心的な値段にほだされて歩いて帰ろうかと思っていたが途中でタクシーに乗り込み、ガリアーノ通りまで行き、そこから宿までのんびり歩き、収穫のないまま金だけ失いモヤモヤした気分のまま眠りについた